最近になって育ててる草の葉っぱがナメクジなどにやられるようになったので、そろそろ退治したいと思っております。しかし、有機農法的なやり方にするか、普通に農薬を使おうかと迷っているのです。というのも、植物の本で「農薬は地面に染み込ませると地中で分解されるので安心」と書いてあったので、早速使おうと思ったのですが、一つ疑問が。そもそも農薬っていうのは微生物や虫を殺す為に散布するんですよね?けれども、地中で薬などの成分を分解する役目をになうのは、他でもない微生物なのではないか…と思うのです。微生物が死んでしまえばその薬は地中に蓄積される事になり、土壌汚染の心配が出てきます。庭に植えているのでできれば土を汚したくはありません。実際のところはどうなのでしょうか?本当に安全な物質に分解されるのか心配です。よろしくお願い致します。」
>地中で薬などの成分を分解する役目をになうのは、他でもない微生物なのではないか…と思うのです。
いえ、もともと不安定な物質ですので光や水によって分解されるのだと思います。
少なくとも水で薄めて使うタイプはそうです。
注意書きにも、薄めた後はすぐに使うこと、直射日光下で保存しないことが
明記されています。
続けて書くと、読みにくいので、適当に改行したほうがいいですよ(^^)
そのとおりです。VITAさん、ステキです。
というか、不安定なのではなく、分解できるように作ってあるんです。
ええと、「半減期」という言葉があります。
農薬が土壌中でどの位の時間で分解分解するかを判断する為の目安で、散布された農薬の半分が分解されるまでの時間で、おもに日数であらわされるんです。
たとえば、結構有名な昔の農薬、DDTやBHCなんかは数年もかかっているんですね(今は使用売買を禁止されています)。
現在の農薬は半減期は大抵1ヶ月以内です。
有名どころだと、マラソンという農薬は約1日という早さです。
家庭で使われる農薬だと、大抵が1週間〜2週間以内です(使いすぎは例外です)。
これがあんまり長くなると法律で禁止されてしまうんです。
というわけで、現在の農薬と言うのは、大半が昜分解性というものなんです。
畑や田んぼで使ったものは農作物に付着したり、土壌中に吸着したり(土壌イオンは吸着性です)、大気中に浮遊したりした後、太陽光線や微生物の働きによって時間の経過と共に分解されます。
その微生物ですが、農薬には選択性というものがありまして、狙った獲物は逃さない!・・・のはもちろんのこと、無関係者には迷惑を掛けないような仁義をもっています。
ようするに、害虫は殺すけど、獲物以外には無害だよ。ということです。
だから民間の普通の人間が農薬を取り扱うこともできるのです。
(もちろん、直接飲んだり吸い込んだりするのは毒ですが)
最近の農薬研究のテーマとしては、いかにこの選択性をさらに高く、急性毒性は低く、なおかつ病害虫や雑草には脅威となるように(ようするに役に立つけど危険は少なく)するかがスポットです。
ちなみに、有機農法だからといって自然を汚染しないというのは大きな間違いなのです。
「有機だから、農薬・化学肥料じゃないから」といって大量に使われた有機物による汚染が今、問題になっているんです。
・・・ええと、長々と失礼いたしました(^^;)
この辺で止めておきますね。
何やらえらそうな御託をたくさん並べてしまいましたが・・・
一応、農薬研究員の端くれなもので・・・失礼致しました。
> そのとおりです。VITAさん、ステキです。
アリガトウございます(^^)
一応理系なのデス。
> ちなみに、有機農法だからといって自然を汚染しないというのは大きな間違いなの
です。
> 「有機だから、農薬・化学肥料じゃないから」といって大量に使われた有機物によ
る汚染が今、問題になっているんです。
このあたりのお話、詳しく聞きたいです〜。
私は農薬法にかからない商品の使用に関して、ちょっと疑問に思うもので。
(室内植物には、仕方無しに使ってますけどね-_-;)
(ニオイとか使い勝手とか、室内向けにはなっていないんで)
いままで、ここもそうですがあちこちの掲示板で農薬や非農薬に関する
トピがありました。
農薬=危険、非農薬=安全と思っている方が多いです。
農薬研究員さんとお話できる機会は早々ないと思うんで、
宜しかったら、教えてくださいませ。
本とかで残った農薬は、土に埋めましょうとあったけど、実際に
農薬を買ったことがないので(説明書に書いてあるかもだけど)
なぜ排水じゃダメで土ならいいのかが解らなかったんです。
謎が解けました〜 ありがとうございます。
安心して、これで自分で希釈する農薬も取り入れられますぅ。
(いままで希釈済みばかり使ってました)
> >>ちなみに、有機農法だからといって自然を汚染しないというのは大きな間違いなのです。
>>「有機だから、農薬・化学肥料じゃないから」といって大量に使われた有機物による汚染が今、問題になっているんです。
> > このあたりのお話、詳しく聞きたいです〜。
わたしもぜひ聞きたいです。
私は理系じゃないですが、(文系でもないが 笑)
もともとなんで化学農薬が出来てきたかを考えると、
(自然物にも問題がないわけではなかったからとか、自然のものから成分を抽出するなり、同じものを合成するなりしてるんじゃないかと思ってたんだけど・・・・←単純発想)
自然だからとむやみやたらと安心して大量に使うってのは、感覚的に大丈夫なのかなという疑問は持っていました。
言い出せばキリのない話かもだけど、
自然物も基準ができれば使いやすいのに。。。とは思ったりしますね。
そうですね・・・
ええと、農薬法にかからない商品、というのは・・・
無登録農薬のことでしょうか??
それとも・・・??
たとえば、農薬取締法によって農薬は登録されます。
登録される為には、まず農林水産省にとどけます。
農林水産省は薬効、薬害、毒性、残留性などそれが農薬として妥当かを検討します。
環境省は農薬登録保留基準を設定していますし、厚生労働省は食品衛生法に基づいて厳しく詮議します。
というわけで、農薬が登録されます。
登録されていないものは農薬ではないので安全、安心、といえるでしょうか?
某モクサ○(私はキスと書くとそう変換されます 笑)を例にあげてみます。
木酢、あ、いや、某モク○ク(以下”ソレ”と称させていただきます^^;)が効き目があるのは、毒性を持っているからです。
”ソレ”は農薬ではないので、厳密に検査してあるものではないのですが、ホルマリン・クレゾールなどの毒性のある物質やベンツピレンなどの発ガン性のある物質が存在する可能性が高いです。
前に述べたとおり、農薬は選択性を持っていますが、”ソレ”は生物全般に毒性があります。
だから、植物に掛ける時は薄めなければならないんです。
原液をかけたら枯れます。
人間が飲めば・・・
たしかに、”ソレ”は有機酸ですし、土壌を酸性化する有機物ですが、有機農法では使用できる薬品に入ってはいません。
(っていうか、農薬取締法にかければ取りしまわれてしまうかと・・・)
なぜ、取り締まわれないのかというと、成分が製作会社によりまちまちすぎるからです。制作方法もまちまちです。
それだけの理由なんです。
他にも、牛乳、米ぬかなど、約600種程が、農薬か否かの指定が保留されています。
さて、そのようにしたモノを使用して無農薬栽培と称するのは、かなり安全性に疑問があります。
私的には、安全性を審査されぬかれた農薬が危険で、安全性が判らないものが安全である。という風潮に皆様もう少し疑問を持っていただきたいです。
結構偏った意見かもしれませんが・・・私の立場から見たものです。
もちろん、使う使わないは個人の自由ですよ!(>o<)
の、残った農薬は土には埋めないで欲しいです・・・
確かにそれが適切な処理方法、と思われていた時代もありますが・・・地下水汚染に繋がります。
お近くのJAに相談してみてください。1キロ100〜200円位で処理してくれると思われます。
希釈液程度なら土に流してもさほど問題ないですが・・・すぐ分解しますし。
一応、お役所は流すなとおっしゃると思われます(-_-;)
それはともかく、有機農法がいけないという訳では無いんです。
有機農法で、なにが一番困りごとかといいますと、「有機だから!」という理由で”大量に使っても良い”と思われているところにあります。もちろん、そんなわけはありません。
とりあえず、さわりだけ(気合いれて話し出せば、ホームページが立ち上げられます)。
土壌の保肥力をあらわすものにCECというものがあります。
どこだかの教授が「CECは土壌の胃袋だ!」とかなんとか言っていた気がするのですが、そのとおりです。
例えばいくらケーキがおいしいからといって、満腹なのにそれ以上ケーキを詰め込むことはできませんよね?(人によってはできるかも?−ー;)
同じことで、土壌も必要以上に養分を溜め込むことはできません。
化学由来だろうが、有機由来だろうが、できません(~△~;)
それ以上のものはすべて地下水などに流れ込みます。
これがいわゆる地下水汚染というやつです。
地下水は川に流れ込み、水道水になります。
塩基飽和度(要するに胃袋の膨れ具合)の最適値は80%なんです。(腹八分目と同じですね)
さて、有機の話に戻ります。
有機肥料は、窒素だけ、リンだけ、カリウムだけ、という肥料をえらべませんよね?
つまり、有機肥料を施肥すると必要ない養分まで施肥できてしまうのです。
ちなみに、窒素肥料を施用しすぎると、蓄え切れなかった硝酸がカルシウムイオンも一緒に土壌から流し出してしまうことはご存じでしょうか?アンモニア酸化細菌の仕業ですが・・・
そのように、施肥に関係ないはずのイオンまでが地下水を汚染していきます。
本当は、一番いいのは土壌診断をすることなんですが・・・ご家庭ではまずムリなんです・・・
う〜〜ん。こんなトコロでしょうか??
あくまで、サワリ程度だと思ってくださいね。
> の、残った農薬は土には埋めないで欲しいです・・・
失礼しましたっ。
でも、適切な処理の仕方がわかって良かったです。あまり書いてあるのを知らなかったので。
余るのが目に見えてるので、ハンドスプレーしか買ってなかったですが、
適応に限りがあるので、非常に参考になりました。
> それはともかく、有機農法がいけないという訳では無いんです。
> 有機農法で、なにが一番困りごとかといいますと、「有機だから!」という理由で”大量に使っても良い”と思われているところにあります。もちろん、そんなわけはありません。
このことは漠然とは思っていたけれど、素人にもわかりやすい説明をしていただき、
ありがとうございました。
なぜ「大量がダメなのか」がよくわかりました。
私もトウガラシやらハーブやら食用に出来るもの限定で、代替農薬はよく使っています。
でも、たまには使うんですけど、○酢液類の頻繁散布には抵抗があったんです。
減らせるものなら農薬使用も減らしたいけど、どうせ使うなら検査された
ものの方が・・・・という感じだったんです。
胃袋の話も、感覚的に理解できるので良かったです。
こういう話を解りやすく解説してくれるサイトがあったらいいなと思います。(知らないだけであるのかな?)
ありがとうございました。
> 無登録農薬のことでしょうか??
> それとも・・・??
無登録農薬と某シリーズは違うのでしょうか??
某モクサ○、某アグリ●●●、某ヘ○ロ、などなど・・・
どれも持ってはいるんですけどね(^◇^;)
> 登録されていないものは農薬ではないので安全、安心、といえるでしょうか?
> 私的には、安全性を審査されぬかれた農薬が危険で、安全性が判らないものが安
全である。という風潮に皆様もう少し疑問を持っていただきたいです。
そう、私もこれが一番思うことなんです。自然のものだから安全とか、漢方だから
いいとか、どこが安全で良いのか
基準がちっともない。
悪いって言ってるんじゃないんだけど、積極的に選ぶ気にもなれないです。
正体のわからないものは、私は怖いかな。
われわれ素人ガーデナーは、人によって園芸に割けられる時間や情熱が
違いますから、日ごろから手をかけることができる人と、時間がない人の
できるケアは当然違ってくるし、予防散布も趣味の一部で楽しめれば
それはそれで良いのかと思いますが>考え方の違いだから。
ただ、明らかに病害虫末期状態なのに農薬は使いたくないとか、
何か違うような気がするんですよね。
自分の子供が肺炎の時に何がなんでも生姜湯のませて汗をかかせて直すって
思う人はいないのに・・・
でも病気の時のオル●ラン頼みとかは、もっと違う。
われわれ消費者の意識が低いのかなぁ。
あ、全然話変わりますけど、農薬ってもっと小分けで売れないんですかね?
1 回買ったら消費期限ぎりぎりまで結構持つので。
あと、スポイト同梱じゃなく、洗濯石鹸みたいに簡単に手を汚さずに
計る容器に出来ないのかしらん。
> 無登録農薬と某シリーズは違うのでしょうか??
ええと、農薬と一口に言っても色々あるんで・・・
例えば、余り知られていませんが、重層や食酢は「特定農薬」に指定されています。
害虫に寄生したりする蜂やダニも特定農薬です。
しかし、害虫を食べるコイやアヒルやアイガモは「農薬ではない」ので外されています。
私的には蜂やダニも「農薬ではない」ような気がするのですが・・・
他にも「効果や安全性がはっきりするまで」指定を保留しているものもあります。木酢はコレですね。
> ただ、明らかに病害虫末期状態なのに農薬は使いたくないとか、
> 何か違うような気がするんですよね。
> 自分の子供が肺炎の時に何がなんでも生姜湯のませて汗をかかせて直すって
> 思う人はいないのに・・・
> でも病気の時のオル●ラン頼みとかは、もっと違う。
その通りですよね!
いつでもどこでもどんな時でも”農薬信奉”でもいけませんし、いつでもどこでもどんな時でも”農薬嫌悪”というのもどうかと思います。
”適切”というものが大切なんですよね。
それに、ちょっと意味は違いますけど、オル○ランばかり使っていると、そのうちオル○ランが効かなくなったりしますし。
私も素人ガーデナーとして、注意したいと思っていることです。
> あ、全然話変わりますけど、農薬ってもっと小分けで売れないんですかね?
・・・・・・・・・・・ (゚△゚;)
え?あれ??ど、どうしてでしょう???
100mlボトルでも希釈するとペットボトル大くらいになりますもんね。
お手軽じゃないのは・・・ええと。あ、あんまりお手軽に使えるようになったら、”農薬”って感じがしなくなるからですかね??
いや、よくわからないですけど。
・・・機会があったら聞いてみますね。
今になってやっとこのスレッドを拝見しました。
農薬研究員の方の投稿ってホント珍しいので、
私もすごく勉強になりました。
なるほど、自然農薬や有機農法・万々歳、というわけじゃないんですね。
余談ですが・・・
私の場合はよく●酢液を希釈したものを散布していた(いる)のですが、
●酢液が土にかかると土壌のphが酸性に傾いてしまうので、
●酢液は使用しない方が良いそうですね。
たしかにほとんどの植物が酸性の土壌を嫌いますよね。
そのために土作りの時に石灰を混ぜたりするわけですから。
昨年までは本当に趣味やインテリア程度に観葉植物を育てていて、
土や肥料、農薬に関してど素人もいいところでした。
今春からは鉢花やハーブや野菜の栽培に取り組もうとしているので、
どうしても農薬は切っても切り離せないトピックです。
かの有名な東京農大がご近所なので、折角だからそこで開催されてる
いろんな講座を受けてみようかな、とまで考えてしまいました(^^ゞ
クロさん、何度もありがとうデス。
> 他にも「効果や安全性がはっきりするまで」指定を保留しているものもあります。
ハッキリするまで保留って所が恐いですねぇ・・・
> ・・・機会があったら聞いてみますね。
は〜い、農薬嫌悪改善のためにも使いやすさ、希望しま〜す。